カビの研究について
自然界では倒木や落葉が雨で濡れて日数が立つと、少し黒褐色になったところにクモの巣状のクモノスカビ(リゾブス)、毛髪状のケカビ(ムコール)、毛髪状のカビ(アスペルギルス・ニガー)、グリーンのカビ(ペニシリウム、あるいはトリコデルマ)が発育してくるので、簡単に観察できます。
また農作物では、生長している柔らかい芽に白い粉状のカビ(ウドンコ病)や麦の穂に赤いカビ(フザリウム、アカカビ病)、トウモロコシの実が黒くなって変形するなど、農作物に発生する病害の九〇%はカビが原因です。
キュウリ、トマト、ナス、ナシ、リンゴ、ブドウ、イチゴの病害を引き起こす主要なカビは、オーレオバシディウム、クラドスポリウム、フザリウム、トリコデルマ、リゾブス、ペニシリウムなどです。
家庭生活では、パン、もち、うどん、ミカン、メロン、バナナに、保存中にカビが生えて食べられなくなります。
このように、カビは、多くの人にとってきわめて身近に見られることから、その存在は、古くから知られていたものと考えられます。
日本の気候風土は温暖で雨が多く、ヨーロッパに比べてはるかに湿気にあふれているので、カビにとって非常に適しています。
このため、諸外国には見られないような大きな規模でカビの利用が進みました。
とくにコウジカビ活用の道が開け、醸造・発酵という独特の技術が大きく進展しています。
その歴史はきわめて古く、1000年以上前と推測されています。
製造の現場で研究が進み、多くの失敗と経験、試行錯誤の末、時間をかけて大きな進歩が達成されたのです。
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