カビは何を食べ、どう栄養をとるか
カビも生物ですから、生育するには栄養分が必要です。
カビは、糖分、セルローズ、でんぷん、石油などの炭素分や、タンパク質、アミノ酸、アンモニア、硝酸などの窒素分で生育します。
ほかに、水に溶けている無機物、たとえばマグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛なども必要です。
カビを人工的に培養するときに使う成分は、硝酸アンモン、硝酸カリ、リン酸カリ、硝酸ソーダ、微量の鉄、亜鉛、銅などです。
炭素分としてはデンプン、いろいろな糖、石油などです。
窒素分は、右にあげた硝酸アンモン、硝酸カリなどの無機塩に含まれています。
カビは葉緑素がない
一般に、植物は、自分で有機物(炭素を含む化合物)をつくります。
葉緑体の中で、二酸化炭素と水を材料として、太陽エネルギーを利用して糖類を合成します。
これが、光合成という働きです。
ところが、カビは葉緑素を持っていないので、自分で有機物を合成することができません。
このため、他の動物や植物にとりついたり、食品や生活用品など有機物を含む物質にとりついたりして、それらから栄養分を吸収します。
生きているものにとりつくことを寄生、生命のない物質にとりつくことを腐生と区別します。
寄生するカビには、農作物の病気の原因となるカビや、水虫など皮膚に生えるカビがありますが、大部分のカビは腐生します。
栄養の取り入れ口は菌糸です。
水に溶けている無機塩や糖は、菌糸が細胞壁を介して吸収します。
パンなどの食品などは、カビがっくり出すアミラーゼ、プロテアーゼなどの酵素を菌糸から分泌し、その作用で、食品に含まれている有機物を、水に溶ける分子量の小さいものに分解してから吸収します。
固いプラスチックも、酵素の力で少しずつ分解して栄養にします。
カビによっては、アルミニウムや鉄を分解して溶かし穴をあける力がありますが、その成分が、栄養としてどのように役立っているかは明らかになっていません。
濃厚な硫酸にもカビが生えますが、硫酸を栄養としているのかどうかよくわかりません。
インクなどの場合は、含まれている成分が栄養に役立っているのかもしれません。
メッキの酸性液にもカビが生えますが、溶けている青酸化合物を分解して栄養にしているかどうかは明らかではありません。
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