防カビ剤
一般に「防カビ剤」と呼びますが、この用語は比較的新しく、以前は、カビを防ぐ薬剤はすべて殺菌剤と呼んでいました。
具体的には、エチルアルコール、クレゾール、フォルマリン、ヘキサクロロフエン、ヨードチンキなどです。
1970年頃、すでに、入手可能な殺菌剤は五〇種以上もありました。
しかし、テストをしてみると、ほとんどの薬剤は細菌のみに有効ではあるものの、カビを的確に阻止できるものは2〜3種しかないことが明らかになりました。
現在、殺菌剤として販売されている薬剤は約360種にのぼりますが、カビの発育を防ぐ効果が明らかなものはごくわずか、5〜6種に過ぎません。
多くの薬剤が「防カビ剤」と称したり、「防カビ効果」をアピールして販売されていますが、その中にはかなり無責任なものが多い、というのが私の考えです。
効果のない抗菌グッズ
最近、よく見られるのが「抗菌処理」で、その処理に使われるのが「抗菌剤」です。
抗菌剤という表現は、きわめて新しく、日常的に広く使う物品に微生物が発育しないようにする薬剤という謳い文句で販売されています。
抗菌剤の大半は、銀の化合物です。
薬学の基本から言えば、銀が少しずつ水に溶け出してイオン化し、その銀イオンが殺菌作用を発揮しているはずです。
わざわざ「はずです」と書いたのは、私が問い合せたメーカーは、「銀は水に溶けないので安定していて長期に有効で、毒性の心配はない」と答えたからです。
本来、銀イオンは水銀イオンと同じくらい強力な毒ですが、それに対して、メーカーは、安全であることを強調したいために、「水に溶けない」(つまりイオン化しない)と答えたものと思われます。
おかしな話です。
しかも、いわゆる抗菌商品2〜3種を購入して、私自身がテストをしたところ、どれも防カビ効果はなく、カビが生えました。
「カビ取り剤」は、つまり漂白剤で、もっとも有効なのは次亜塩素酸という物質を使った製品です。
しかし、この物質は刺激臭が強く、目や鼻を傷めるので、安全に使える家庭用品とは言えないようです。
「カビキラー」などの主成分は、この塩素剤です。
食品や建材などの腐敗防止に使われるのは「防腐剤」 で、比較的殺菌力の弱い薬剤です。
カビはものを腐敗させますから、防腐剤には防カビ作用を持つものもあります。
食品に使われる防腐剤は、「食品衛生法」という法律によって、使用する薬剤の種類や使用量が制限されています。
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