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多量の農薬散布に頼ってきた
クロカビ(クラドスポリウム)やオーレオバシディウム、アカカビ(フザリウム)などのカビは、従来は、日本人のふつうの生活には関係のない種類でした。
六五年前の大学の講義では、これらのカビは一括して表で示され、それぞれについてのくわしい説明はありませんでした。
当時は微生物を活用して農作物を加工し、付加価値を高める方向の講座でしたから、みそやしょう油、ビールや清酒づくりが主要な内容になっていました。
先ほどあげたカビは、農作物に被害をもたらすカビとして知られます。
天候不順で雨が降り、日照不足で気温も低めの日が続くと、水ぶくれになって軟らかくなった作物にカビが入り込んで増殖します。
そして、数日後にはカビのせいで発育不良に陥り、作物が枯れてしまう被害が起こります。
アカカビの繁殖による障害をアカカビ病と言い、主に麦に被害が出ます。
日本では、麦の収穫のころが入梅で、この時期の気温と湿気がアカカビの活動に適しているので、アカカビ病が発生しやすいのです。
1952年、1963年ごろに西日本で麦の80%が被害を受けました。
クロカビは、モモ、スモモ、ウメ、キュウリなどに黒星病を起こします。
カビによる病害としてよく知られるのは、イネに起こるイモチ病でしょう。
ピリキユラリア・グリセアというカビが原因で起こる病気で、稲作にとっては最も重大な脅威です。
いったん起こると被害が大きく、昔は冷害の年などに大発生して、しばしば飢饉の原因になりました。
このため、イモチ病克服が稲作の大きな課題でした。
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