納豆-カビが活躍するのは関西風の塩辛納豆
栄養面で価値が高いが消化しにくい大豆を、微生物の働きで、きわめて消化のよい形に変えたのが納豆です。
繊維とカルシウムも豊富で、健康食品でもあります。
私は関東の人間ですから、単に納豆というと、ネバネバしていて糸を引く製品を思い浮かべますが、関西では豆粒の形で黒くてパラパラに乾燥した大豆食品を指すようです。
関東風を糸引き納豆、関西風を塩辛納豆、あるいは塩納豆と呼んで区別します。
糸引き納豆の製造には、カビではなく納豆菌(バチルス・ナットウ)を使います。
その納豆菌は、食品を腐敗させる菌の代表格であるバチルス・サブティリスという土壌菌を活用してつくります。
腐敗菌を食品の加工に使うのは珍しい例といえます。
枯草菌や馬鈴薯菌と近い性質を持っています。
好気性(生育に酸素を必要とする性質)のグラム陽性菌(特殊な溶液に染まる種類の菌)で40〜50℃でよく発育し、強いデンプン糖化力を持っています。
納豆菌は藁にたくさん付着しているので、昔は、大豆を蒸して藁に包んで暖かいところで発酵させてつくりました。
今日では、豆を軟らかく煮て、培養した優良菌を使って製造します。
大豆10キログラムから、2倍の20キログラムの納豆ができます。
納豆には特有の芳香があって、一緒に食べたものがよく消化される利点があります。
赤痢菌、チフス菌、シラクモカビなどを殺菌する力もあるので衛生的な食べ物で、健康食として人気が高まっています。
一方、塩辛納豆のほうは、大豆を蒸してムシロに広げて種子コウジ(ショウユコウジカビ)を加え、小麦粉を大豆の半量混ぜて保温して培養します。
2〜3日後にサンショウ、ショウガの粉をかけ、食塩水に漬けて桶に入れます。
六ヶ月間発酵させ、2〜3日乾かして製品とします。
そのままでも食べますが、酒と酢を混ぜた液に一夜漬けて軟らかくし、大根おろしとわさびをつけると美味で、酒の肴に合います。
塩辛納豆には、塩納豆、浜納豆、天竜寺納豆などといった製品があります。
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